核融合用語集
重水素(D)とは
1つの陽子と1つの中性子からなる水素の安定な同位体です。
水の中には D_2O あるいは DHO の形で含まれています。
普通の水の中には 0.015 % の割合で重水が含まれています。
三重水素(T)とは
1つの陽子2つの中性子からなる水素の同位体です。
半減期 12 年の放射性同位体で,自然界にはほとんど存在しません。
DT 反応の燃料として用いられる三重水素はnLi 反応によって生成する必要が
あります。
DT 反応 : 低い温度で反応し,反応率も高い(反応率最大7億度)
- D + T -> He4 + n + 17.6 MeV
三重水素 T を生成するための反応
- n + Li6 -> T + He4 + 4.8 MeV 7.4 %
- n + Li7 -> T + He4 + n - 2.5 MeV 92.6 %
(自然界に存在する Li の内 7.4 % は Li6)
DD 反応 : 反応率は低いが,高エネルギー中性子の生成が少ない
- D + D -> He3 + n + 3.23 MeV
- D + D -> T + n + 4.03 MeV
2つの反応はほぼ同じ確率でおこる
生成された He3, T はさらに反応して
- D + He3 -> He4 + p + 18.3 MeV
- D + T -> He4 + n + 17.6 MeV
pB 反応 : 反応温度は高いが,中性子が全く生成されない
- p + B -> 3 He4 + 8.68 MeV
(反応率が最大となる温度は25億度)